

屋外用透明塗料の技術を高度化し、これまでの耐候性塗料を圧倒的に上回る、木材用の透明塗料を開発しました。
透明塗料のため、木の持つ風合いや美しさはそのままに、およそ7年以上(※)にわたって屋外での使用に耐え得る耐候性能を発揮。
他材料では表現し得ない、日本らしい木材の質感と高い耐久性の両立を実現します。
※促進耐候性試験の結果によるものです。基材や環境条件などによって耐用年数は変動します。
開発経緯
History
これまでの高耐候性塗料は…
- 早ければ一年、長くても4年で寿命がきてしまう(すぐに塗り直し)
- 塗膜や木材表面が劣化していく(含浸形)
- 劣化すると塗膜の割れや剥がれが生じやすい(造膜形)
これまでの木材用耐候性塗料は、木材に濃く着色し含浸させることで保護していましたが、それでも
2年毎の塗り替えが必要でした。また、淡色や透明の塗料では極端に早く劣化が進行してしまいます。




新開発「高耐候性透明塗装システム」なら、木材表面に薄く被膜を形成し、着色無し(透明)でも木材を保護。
7年先まで塗り替え不要(※)な超高耐候性能を発揮します。
※促進耐候性試験の結果によるものです。基材や環境条件などによって耐用年数は変動します。
開発内容
Detail

木材への表面処理技術を新たに開発し、美粧性と耐候性の両立を実現しました。
特許出願中
特殊シーラーの開発
透湿・防水性を塗膜に付与する、特殊シロキサン系
シーラー(含浸形)を新たに開発しました。
高耐候透明塗料の開発
木材を劣化させる波長域を吸収する添加剤を
組み合わせた塗膜設計で、メンテナンスが容易な
透明塗料(半造膜形)を新たに開発しました。
7年相当の耐候性能
促進耐候性試験では、キセノンウエザーメーター3500時間経過後も良好な耐候性を示しました。
3500時間は、屋外で7年相当の耐候性能です。
従来品木材保護着色塗料は有色で1000時間以降割れが発生し、ウレタン塗料では500時間で塗膜剥離が生じることが分かっています。
高い柔軟性と強度を兼備
塗膜を割れにくくして木材への水の侵入を防止するには、伸び率と強度の両方を兼ね備えた特性が効果的であり、新開発の塗料は一般的な市販塗料に比べひずみ(伸び率)、応力(引張強度)ともに高い特性を示すように設計しました。

優れた紫外線遮蔽効果
分光測定装置によって紫外線透過率を比較したところ、新開発の塗料では紫外域(380㎚以下)をほぼ100%遮蔽することに成功し、この塗膜構成で基材の紫外線による損傷はほぼ100%抑制可能であるという結果を得ました。

産学連携による分析・評価で有効性を確認
当社が開発した塗料は、日本大学によるFT-IR分析によって分析・評価され、その有効性が確認されました。
グラフの矢印(水色)が木材成分の中で特に紫外線によって分解しやすいリグニン由来のピーク(吸収)であり、紫外線吸収剤及び光安定剤の配合比率を最適化した塗料では、UV照射前後でこのピークの減少率が最小となることを確認しました。


さまざまな試作・試験を重ね、
他社や従来品を圧倒する耐候性能を実現
キセノンテスターによる促進耐候性試験をはじめ、水平暴露試験や壁面想定暴露試験など、さまざまな試験を重ね性能評価を実施、有効性を検証しました。



開発塗料①の試験経過
開発塗料Xeの試験経過
【比較】他社品の試験経過(キセノンテスターによる促進耐候性試験)
【比較】従来塗料の試験経過(水平暴露による耐候性試験)


施工事例
Works
愛媛県森林公園(愛媛県)
森林公園内にある東屋や手すりに高耐候性透明塗料を施工し、経過を観察しています。
林業研究センター(愛媛県)
センター内、椎茸栽培棟の外装に高耐候性透明塗料を施工し、経過を観察しています。
大建工業株式会社
R&Dセンター(岡山県)
共同研究機関である大建工業株式会社R&Dセンター敷地内にて、羽目板、ルーバーに高耐候性透明塗料を施工し、経過を観察しています。(実大実験)
写真:大建工業株式会社撮影町家建築や木造公民館など木造施設だけでなく、ウッドデッキやラティス、アウトドア家具、木製オブジェ、表札など、木製外構材以外のさまざまな製品や用途への広がりにも期待しています。

木製デッキ

木製外構

木製テーブルセット

表札